口の中にはさまざまな種類の細菌が存在します。そのなかで虫歯の原因となる菌は「ミュータンス菌」です。
ミュータンス菌は、食べ物や飲み物に含まれる糖分を餌として増殖し、粘着性のある物質(プラーク)を作って歯の表面に付着します。それと同時に、酸を作り出します。酸の作用により、プラークが付着した歯の表面からはカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出します。この現象を「脱灰」といいます。
作られた酸が唾液で中和されると、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが歯に戻って「再石灰化」が起こります。
脱灰と再石灰化のバランスが偏り、脱灰が持続した状態が続くと、歯の表面に穴があいて虫歯の状態となります。
虫歯が発生する要素には4つあります。細菌、糖質、歯質、時間が挙げられ、これらが揃うと虫歯は一気に進行します。痛みを感じていなくても、進行していることがあります。
冷たいものや甘いものが ”しみる” という症状が出てきたときにはすでに大きい虫歯になっている可能性があります。
放置していても虫歯が自然と無くなる、治るということはありませんし、症状がなくなったから放置しておくと抜歯になってしまうこともあります。
重症度が高いと治療に時間がかかり、費用もかかってしまいますので、早期治療のために早めに歯科医院に行きましょう。
①丁寧な歯磨き(ブラッシング)を行なうこと
②歯間清掃器具(歯間ブラシ、フロス)を使うこと
③適切な歯磨剤を使うこと
歯を強くするためにはフッ素が重要になります。
①再石灰化の促進
②歯質強化
③細菌の酸産生抑制
①フッ素入り歯磨剤を使用する
②歯科医院で定期的にフッ素塗布を行なう
③フッ素洗口を行なう
フッ素は摂りすぎると体に害を及ぼすことがありますので、詳しくは歯科医師にご質問ください。
①だらだらと食べない
②食べたら磨くという習慣をつける
普段お口の中は唾液のおかげで中性に保たれていますが、食べたり飲んだりすると、酸性になります。
酸性の時間が長いと虫歯になりやすくなるため、頻繁に糖分を摂る食べ方や飲み方には注意しましょう。また、就寝時は唾液の量が少なくなるので、夜の歯磨きは特にこまめに丁寧に行いましょう。
削らず経過観察することがあります。よく磨いていただくことで進行を制御することができます。
またフッ素を塗布することで、再石灰化を促し、歯の強度を向上します。
神経まで達していない虫歯です。
削って修復物で補ってあげる必要があります。修復物の種類は、歯科用レジン(プラスチック)、銀歯、セラミック等があります。
虫歯が神経まで達してしまっている状態です。
神経が感染してしまっているため、神経を根の先端で取る治療が必要です。
最終的には被せ物で補う必要があります。被せ物の種類は、銀歯、セラミック、ジルコニア等があります。
虫歯で歯冠(歯の頭)が溶けてなくなってしまっている状態です。
基本的に抜歯となります。